小手毬
葉桜をはじめ、様々な緑色で街が色づく頃、時折初夏の空気すら感じるようになりました。
店先の小手毬がそろそろ見頃を迎えます。
昨年の塩害の影響か、ついこの間まで葉に元気がなかったものの
そんな心配を余所にたくさんの蕾をつけ、あっという間に花開せるまでになりました。
小さな花壇に1本だけ植えてあるので、小手毬園というにはうんと程遠いのだけれども
それでもゆっくりと見て頂きたいほどに、毎年この時期咲き誇ります。
植物も近頃の環境変化に気づき、己を保ちつつも、きっと見えないところで変化しているのでしょう。
寛容に生きることで強さを身につけているのだ、ということを学ばせてもらいました。
様々な顔を持つ小手毬。
夕日を背中に風に揺れる姿は、朝のうっすらとした光の中で
新しい花を開こうとする儚い様子とはまた違った、凛とした美しさがあります。
そして今日のようなしとしと雨の雫が滴る静謐な姿。
小さくかわいらしい花とは反対に、弧を描くように大きく伸びる枝の嫋やかな動きには思わず見とれてしまいます。
最近、何かを愛でる気持ちや大切に想う気持ちは
体温までも上昇させ、なんだか健康へと繋がる気がしてなりません。
これは春の陽気のせいでしょうか。